韓国人のハ・ワンさんが書いた「あやうく一生懸命生きるところだった」という本が、Amazonの売れ筋ランキングでもランクインするくらい、好評です。
どれくらい好評かというと、まだ読んでいない人までもが、Amazonレビューに星5つ(☆☆☆☆☆)をつけてしまうくらいですから、驚きです。
「まだ読んでいませんが、面白そうです。」
って・・・・
そんなAmazonレビューってアリなの?(笑)
というわけで、僕は、この本、ちゃんと読みましたので(笑)今日は書評・レビューを書いてみます。
結論からいうと、仕事とか、副業とか、まぁ、なんでもいんですけど、とにかく一生懸命やってるのにうまくいってない、結果が出てない、なんかしんどい、つらい、イライラする、というような方には、オススメの一冊です。
なんか矛盾するようなコメントですが、「一生懸命生きる必要はないよね」ということに気づければ、より一層、頑張れるようになります。
この本は、そういったことにも気づかせてくれる良書です。
あやうく一生懸命生きるところだった【書評・レビュー】
あやうく一生懸命生きるところだった:目次
プロローグ:今日から、必死に生きないと決めた
第1章:こうなりたくて、がんばってきたわけじゃない
・何のために頑張っているんだっけ?
・努力は必ず報われるわけじゃない
・そもそも、やる気がなくても働ける
・「人生マニュアル」を捨てて自分らしく
・もう「金持ち」になるのは諦めた
・他の選択肢はないという「執着」
・必要なのは、失敗を認める勇気
・人生に「正解」を求めすぎたばっかりに
・私だけの人生をうまく描くコツ
・そこまで深刻に生きるものじゃない
第2章:一度くらいは思いのままに
・歳をとってから遊ぶだなんて!
・自由を売ったお金で自由を買っている
・「何もしない」とは、究極の贅沢
・人間関係の疲れを「ひとりの時間」で癒す
・”自分だけの人生”は失敗の上に成り立つ
・たまには年齢を忘れてみる
・「ムダ足」こそ、人生の醍醐味だ
・あなたの内面はパンツに現れる
・「やらかさなかった」後悔は後を引く
第3章:生きていくって、たいしたことじゃない
・「やりたい仕事」なんて探しても見つからない
・いつかみんな会社を辞める
・仕事にアレコレ求めすぎてない?
・その「生きづらさ」は、あなたのせいじゃない
・「正解社会」に必要なのは多様性
・たとえ片思いに終わったとしても
・ないならないなりに暮らせばいい
・お金のために自由は後回しにしない
第4章:あやうく一生懸命生きるところだった
・少しくらい遅れたって気にすんな
・思い通りにいかないほうが正常だ
・理想通りじゃない「現状」を愛する
・人生に大切なのは「ひげ戦略」
・普通で、つまらない毎日を幸せに過ごす
・ダメな自分を認めたら、自尊感が増してきた
・てっとり早く自分を不幸にする方法
・「仕組まれた欲求」に惑わされるな
・若い頃には戻れなくていい
・何かを失うと、何かを得られる
・大切なのは「結果」ではなく「物語(プロセス)」
・人生、意外と悪くないかも
エピローグ:さよなら、一生懸命の人生
「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン (著)
何のために頑張っているんだっけ?
以前、「うらやんだら負け」という言葉が流行した。「うらやましい」という感情は自動的に「どうして自分にはできないのか、そうならないのだろう」という深いため息につながり、そのため息を吐き切る頃、僕らは妙な敗北感を覚えてしまう。
何もない自分は負け組だ・・・・
そうだ。他人をうらやんだら負けるのだ。
だから、うらやんではいけない。「負けた」という感情ほど惨めなものはないから。うらやましいと思わなければ敗北もない。
「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン (著)
僕自身は、自分と他人を比べるのはバカバカしいと思ってますので、他人をうらやんだら負けという考え方も、すごく共感できます。
人間、大きく2つに分かれると思うんですよねー
ひとつは、他人と自分を比べて、人に追いつけ追い越せで上昇していくタイプ
もうひとつは、他人はどうでもよくて、昨日の自分と比べて、今日の自分をよりよくすることで上昇するタイプ
僕は、今は後者ですね。
以前は、他人と自分を比べて、勝ち負けで物事考えたりもしてましたが、今はそういったことを全く考えなくなったので、生きるのが楽になりました。
あ、そうそう、勝ち負けと言えば、ちょっとググれば、こんなのも出てきます。
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげる先生は、この7か条をモットーに生きてこられたらしく、「勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない」「他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし」ということをあげています。
「才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ」ということについては、今回紹介しているハ・ワンさんの著書「あやうく一生懸命生きるところだった」にも詳しく書いてます。
努力は僕らを裏切る
改めて考えてみると、僕らは小さい頃から精神論を刷り込まれてきた。
「一生懸命やりなさい」
「頑張らない者は何事も得られない」
「努力なしに得た成功は成功じゃない」
こんな精神論だ。誰しもがこんな言葉を、それこそ宗教みたいに信じて生きている。もちろん間違いではないが、少し世間がわかってくると、必ずしもそうではないのではと疑念を抱くようになる。いや、人生が長くなるほど、そう強く実感する。
だから困惑してしまう。僕らの価値観が根底から揺らぐのだから。
事実、必死に頑張ることも、血の滲む(にじむ)ような努力もなしに恵まれている(成功している)人は存在する。
一方で、誰よりも一生懸命頑張っても報われない人もいる。
たとえば、数え切れないほどのオーディションの末にデビューする俳優もいれば、友人のオーディションに付いて行ったことがきっかけでデビューしてしまう人もいるように。
身近な例でいえば、根を詰めて働いた割にたいした成果を得られなかった一方で、適当にやった仕事が好成績を収めたような経験は、誰しも一度はあるだろう。
必死に努力したからといって、必ずしも見返りがあるとは限らない。
必死にやらなかったからといって、見返りがないわけでもない。
そうだ、僕らが信じてきたこととは違い、人生とは実に皮肉なのである。
だからといって、一生懸命努力する人を否定するつもりも、適当に生きたほうがいいと言うつもりもない。落ち着いて聞いてほしい。
努力は、必ず報われるわけじゃない。
ただ、それだけの話だ。
(中略)
なぜ、努力は裏切るのか。だとしたら、これから何を基準に生きていけばいいのか。それは、僕にもわからない。
しかし、そんな憤りを軽くするすべはわかる。憤りつつも”認める”ことだ。
努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。
この現実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろう。
自分が”こんなにも”努力したのだから、必ず”これくらい”の見返りがあるべきだという思考こそが苦悩の始まりだ。
見返りとは、いつだって努力の量と比例して得られるものではない。むしろ努力の量よりも少ないか、またはより多いものである。時には見返りがないことすらある。残念だが真実だ。
もしまわりに、たいした努力もせずに大成功している人がいたら、非難したりせずに受け入れよう。それこそが、自分も努力以上の大きな成果を得られたり、努力せずに良い結果を収められるということだから。そう考えれば、嫉妬に苛まれる必要もなくなる。
「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン (著)
個人的にも何度も読み返したいので、長々と引用しました。
もちろん、一生懸命努力することは尊いことだと思いますよ。あきらめなければチャンスをつかめるってのも経験上知ってます。
でも、それで苦しくなって、つらくなって、イライラして、家族や友人、まわりに心配かけたり、迷惑かけるようじゃ、それこそ何のために頑張ってるの?ってことになるわけです。
実際、僕も昔、そういう時期があったのですが、あるとき「努力って報われないこともあるよね」ってことに気づき、それを認めることで、けっこう楽に生きれるようになりました。
なので、今回の本、超おすすめなんですよねー
他人と自分を比べるバカバカしさもわかるし、それ以外でもかなりの気づきがある本なので、読む人によっては、もっと効率よく健全に人生切り開いていけるようになります。
ま、他人と比べたり、ライバルを見つけて負けないように、追いつけ追い越せで上昇していくのもアリっちゃーアリですけど、それがあわない人にとっては苦痛でしかないし、なにより疲れますからねー
少なくとも、僕は疲れるんで、そういうのはどうでもよくなりました。
おかげで妻と二人、何不自由なく仲良く暮らせてます。
何のために頑張ってるの?
常に自問自答です。
というわけで、今日は韓国人のハ・ワンさんが書いた「あやうく一生懸命生きるところだった」という本を紹介しました。
今日、2020年5月30日のAmazon総合ランキングで56位にランクインしていた、けっこう売れてる本なので、興味があれば、ぜひ買って読んでみてください。