今日、同級生と電話で話していたら、「中学3年生の息子が本を読むのが嫌いなんだけど、どうしたら本を読むようになると思う?」という相談を受けました。
僕は、本を書く仕事はしていますが、本を読ませる仕事はしていないので、なかなかの無茶ぶりな相談でしたが、お金をもらっているわけではないので、適当にそれっぽいことを答えておけばよいと即座に判断し、まずはヤホー知恵袋で調べてみました。
あ。ヤホーではなく、ヤフー知恵袋ですね。失礼。
調べてみて、まずわかったのは、かなり多くの親御さんが、お子さんの本嫌いに悩んでいるということ。
子供が本が嫌いです。何か良いアイディアないですか?
子供が、本を読むようになるには、どんなきっかけがあるのでしょうか?
子供を本好きにするにはどうしたらいいのですか?
ヤフー知恵袋には、こんな質問が数多く寄せられていました。
他にも印象的な質問として
子供に本を読んでもらいたいのですが、うちの子は本を読むのが大嫌いみたいで、いつもテレビとかビデオばかり見たがります。
といったものもありましたが、たしかに僕の同級生のお子さん(中3)も、本は読まずにYouTubeばかり見てるので、そんなお子さんは多いのでしょうね。
ヤフー知恵袋には、質問に対する答えもたくさん掲載されてます。
お子さんの本嫌いに悩んでいるようであれば、まずはそこで参考になりそうな意見を探してみると、ヒントとなる情報を見つけることもできるでしょう。
本を読むのが嫌いな子を持つ親が知っておくとよいこと
幼児期であればまだしも、冒頭で話した僕の同級生のお子さんのように、中学3年生にもなると、なかなか本嫌いを直すのは難しい気がします。
なんせ今は、YouTubeで様々な情報を得ることができる時代ですからね。
僕の同級生は「私は本が好きなのに、なんで息子は本が嫌いなんだろう?」と言ってましたが、「本が好き」というのは遺伝するようなものでもないので、そういう親子はたくさんいると思います。
本を読むのが好き、嫌いというのは、その人その人の個性であり、それと似たようなことを著名な経営学者ドラッカー博士は、このように述べています。
仕事の仕方について初めに知っておくべきことは、自分が読む人間か、それとも聞く人間かということである。つまり、理解の仕方に関することである。世の中には読み手と聞き手がいること、しかも、その両方であるという人はほとんどいないということは知らない人が多い。自分が、そのどちらであるかを認識している人はさらに少ない。
「プロフェッショナルの条件 P.F.ドラッカー (著)」より引用
ドラッカー博士いわく、読んで理解する人と、聞いて理解する人、この2つに分かれるとのこと。
仕事の理解という意味で言えば、本や資料を読むほうが理解しやすい人もいれば、話を聞くほうが理解しやすいという人もいる、そういうことです。
なので、これは子供だけではなく大人の読書嫌いにもあてはまりますが、本が嫌いということを個性として割り切ってしまえば、今だと「オーディオブック」という便利なサービスがあるので、「本を聞く」ということもできます。
本を読むのが嫌いなら、本を聞くという手段も
僕も、この「audiobook.jp」というサービスを長年愛用していますが、ナレーターが本を読み上げてくれるので、活字を読むのが苦手という人でも、本を楽しむことができます。
なので、本嫌いのお子さんに、無理に本を読ませようとするのではなく、本を聞かせるというのも、ひとつの方法ではないかと思います。
また、普段、Amazonでよく買い物をする人などは、Amazonの「オーディブル」というサービスでも、オーディオブックを楽しむことができます。
人にはそれぞれ「認知特性」がある
認知特性とは、神経心理学の分野ではよく使われる言葉です。ひと言でいうと、「外界からの情報を頭の中で理解したり、整理したり、記憶したり、表現したりする方法」です。
同じことを聞いても、誰もが同じように理解するわけではありません。同じ結論を持っていても、同じように表現するわけでもありません。人にはそれぞれ生まれ持った思考や認知の好みがあるのです。
認知特性は、大きくは三つのタイプにわかれます。あなたは(あるいはあなたのお子さんでもかまいません)、次のうちどれに当てはまるでしょうか。
A 子どもの頃、悩まずに絵を描き上げられた
→「見た情報」を処理するのが得意(視覚優位者)B 子どもの頃、読書感想文を苦もなく書き上げられた
→「読んだ言葉」を処理するのが得意(言語優位者)C 子どもの頃、合唱やカラオケで上手にハモれた
「医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン」本田 真美 (著)より引用
→「聞いた情報」を処理するのが得意(聴覚優位者)
先ほど紹介したドラッカー博士は、読んで理解する人と、聞いて理解する人の2つに分かれると述べていましたが、医師の本田真美先生によれば、視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者の3つに分けられると説いています。
本田先生が書いた「医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン」という本には、視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者の特性についても記述があり、それによると、聴覚優位者には以下のような特性があるそうです。
聴覚優位者の特性
・言葉を聞くのが得意
・一度聞いたコマーシャルのフレーズや歌詞を覚えるのが得意
・英単語は聞いたり、暗唱したりして覚える
・講演内容のテープを聞き返すとき、どのあたりに録音されているかがわかる
・難しい話題でも、写真や資料を見ることなく、話を一度聞くだけで理解できる
・テレビを見ているとき、テロップがなくても意味がすんなり理解できる
・ダジャレをいったり、人の言葉じりをとらえるのがうまい
・一番古い記憶は4~6歳以降のもので、映像イメージは曖昧で、あとから聞いた情報も付け加えられているケースが多い
・絶対音感のような特殊な能力を持っていることがある
・CMソングや音楽を一度聞いただけで、歌詞ではなくメロディを口ずさむことができる
・モノマネが得意
・外国語の発音が上手
もし、上記の聴覚優位者の特性があてはまるようであれば、無理に読書をするよりも、聞くことで学習するほうが、能力をより伸ばすことができるのかもしれません。
お子さんが読書嫌いの場合は、人間には認知特性に違いがあるということを知っておくだけでも、より良い結果につながりそうですね。
というわけで、さっそく、このことを同級生に教えて、「お金ちょうだい」と言ってみようと思います。