写真を残す意味って何ですか?
と聞かれると、人それぞれ、いろんな答えがでてくると思います。
まぁ、写真を残す意味なんて、明確な答えがある問いではないので、どんな答えであろうと「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とチコちゃんから叱られることはないでしょう。

写真を残す意味について考えたキッカケ
今回、なぜ「写真を残す意味」について考えたかというと、ちょうど1年前のことが、どうしても思い出せなかったからです。
「ロード 第1章」では、「ちょうど1年前にこの道を通った夜」を「昨日のことのように今はっきりと想い出す」ことができたようですが、僕はiPhoneに保存されていた写真を見て1年前のことを想い出せました。
実は今日、4月26日は僕の誕生日なのですが、ふと「去年の誕生日って、どこに行ったっけ?」と思ったんです。
しかし、まったく思い出せない。絶対、妻とどこかでディナーしてるんです、去年の誕生日。でも、まったく記憶がない。
ありませんか?こういうこと。
そこで僕は、去年の4月26日にiPhoneで撮影した写真を探しました。


写真を見て思い出したこと
見つけました、2019年4月26日に撮影した写真。
居酒屋ユルイヤ。
不思議ですね、それまでは全く想い出せなかったのに、写真を見たら、その日、そのお店でどんなことがあったかなどの記憶も、鮮明によみがえってきたんです。
「あ~、あの日は新人っぽい女性スタッフ2人があたふたしてたなぁ」みたいな感じで。
と、そんなわけで、写真を残すって、それを見て、そのときのことを想い出せるということに、大きな意味があるなぁと思った次第です。
まぁ、そんなこんなありまして、今日は「記憶」について気になったんで、こんな本を読んでみました。

認知心理学、実験心理学を専門とする教育心理学者、高橋雅延(たかはしまさのぶ)さんが書いた「記憶力の正体:人はなぜ忘れるのか?」(ちくま新書)
読んでみると、こんなことが、やはり書いてありました。
私たちが過去の記憶を思い出すためには、場所をはじめとした何らかの手がかりが必要だということです。
「記憶力の正体:人はなぜ忘れるのか?」(ちくま新書)
今回の私の例で言えば、iPhoneに残された写真が、1年前の誕生日の記憶を思い出す手がかりになったわけですが、他にも「場所」「匂い」「音楽」「体調」なども記憶をよみがえらせる手がかりとなります。
その場所に訪れると、必ずあの人のことを想い出す。
紅茶の匂いをかぐと、あのときのことを想い出す。
あの曲を聞くと、学生時代を想い出す。
酔っぱらうと、なぜかいつも、あのことを想い出す。
そういったことは、誰しもあることでしょう。
ちょっと詳しすぎて難しい点もありましたが、「忘れるとはどういうことか?」「忘れられないとはどういうことか?」「思い出せないのはなぜか?」「無意識でも覚えているのはなぜか?」「記憶を強くするにはどうしたらよいか」ということが、この本には、さまざまな研究事例とともに事細かく解説されていましたので、興味があればぜひ読んでみてください。
写真を見て思い出すこともあるから、できるだけ写真は残しておこう
iPhoneに残された写真がなければ、私は去年の誕生日のことを想い出せなかったでしょう。
人間、楽しかったときの思い出はよく憶えてると言いますが、そうでない場合もあるようです。
今回、妻から「去年の誕生日、楽しかったね」と言われたとして、そのときに、「ごめん、俺、まったく憶えてないんだよね」と答えようものなら、とても悲しい思いをさせてしまうことになったでしょう。
幸い、iPhoneに写真を残していたおかげで想い出すこともできましたし、妻もそういったことを話したりはしませんでしたが、写真を残す意味について考える良い機会になったと思ってます。


2020年4月26日、45歳の誕生日に自宅で食べた不二家のモンブランとプリン。
あとから想い出せるように写真に残しておきます(^^)