齊藤さんだぞ!
それはさておき。
ひさびさにパンチのきいた本を読みました。
自己啓発は、私を啓発しない。
タイトルが素敵すぎます。
この本では、「自己啓発セミナー、自己啓発教材などが、どれくらいヘンテコリンなものなのか」ということが、著者の齊藤さんの体験談をもとに、ストーリー仕立てで語られています。
・総額150万円の自己啓発カセットテープ
・初級8万円→中級15万円→上級7万円の自己啓発セミナー
・約40日間のマグロ漁船
・5万円のディベートのセミナー
・1万円のコミュニケーションセミナー
・5000円の風水のセミナー
・60万円のコーチングセミナー
・3万円の転職セミナー
・情報交換会という名のネットワークビジネス勧誘
・1万円の断食修行
・5000円のホストが講師のコミュニケーションセミナー
・5000円の魅力アップセミナー
・1万円の出版成功セミナー
・10万円の講師養成セミナー
といった具合に、出るわ出るわ、斎藤さん、なかなかのセミナーマニアっぷりです。
途中出てくる、約40日間のマグロ漁船というのは、セミナーではなく業務命令だったそうですが(業務命令でマグロ漁船ってのもパンチがきいてますよね・笑)
印象的だったのは、斎藤さんいわく、マグロ漁船が一番勉強になったそうで、この本の他に「会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)」という本も出版なさってます。
この本のタイトルもパンチきいてますねー
僕も新しい本を出版するときは、こういったパンチのきいたタイトルにしてみたいものです。
「ビジネスで必要な知恵は、すべて〇〇で学んだ」
〇〇に何かをあてはめて、笑わせてください。
どうぞ。
私は、休日などの時間を使って自分の成長のために勉強することは、とっても素晴らしいことだと思っています。
しかし、一方で自分磨きというものをやりすぎると、かえって仕事や人生をおかしくしてしまう危険性があることも、私自身が身をもって知っています。
私は今、人材育成の研修や講演を仕事にしていますが、大学を卒業した後、民間企業で研究開発の仕事に就きました。そして、入社後にたまたま当たった上司が仕事はできる人でしたが、メチャクチャな人でした。
上司は、自分が仕事ができる分、できない人を見るとたとえ社会人経験がゼロの私にも容赦なく「お前、そんなことも知らないなら、一回死んでこい!」「そんな簡単なこともできないなら、一回戦場に行って撃ち殺されてこい!」と罵倒するような人で、私は毎晩といっていいほど会社に寝泊まりして仕事をしていました。
(中略)
結局、この上司に散々悩まされたあげく、ついには体調を崩して休職することになってしまったり、あるときはわけがわからないまま、業務命令でマグロ船に乗せられて赤道まで行かされたこともありました。
そのため、「このままじゃ、絶対過労死だ」と強い危機感を持つにいたった私は「上司からあまりにも無茶なことは言われないようにしよう」と考え、自己啓発のセミナーやコミュニケーションに関するセミナーを受講したり、高額な教材を購入したり、振り返ってみれば社会人になって数年のうちに、600万円以上のお金を使っていました。
そして、こうした教材やセミナーにハマりすぎた結果、今度は上司以外の人間関係もおかしくし、余計に大変な20代を送るはめとなったのです。
しかし、セミナー会社からカモにされたり、失敗の経験をたくさん積んだおかげで、徐々にそこで学んだことを自分の力に変えられるようになってきました。
そして、30代半ばとなった今、独立して企業のコンサルティングや研修を行うようになり、気づけば年間200回以上の講演を行い、また、たくさんの本を書かせていただくようになりました。
「自己啓発は私を啓発しない」齊藤 正明 (著)より引用
って、斎藤さん、あんたもセミナー講師になったんかーい!
と、それはさておき。
この本で齊藤さんは、「自分磨きというものをやりすぎると、かえって仕事や人生をおかしくしてしまう危険性がある」と主張されてますが、これは私のまわりにも過去そんな人がいたので、よくわかります。
ひとつ大きな問題として、セミナーにハマった人は、間違えたエリート意識を持ってしまい、そこから抜け出せなくなり、結果的に家族や会社の人に迷惑をかけてしまうことがあります。
(中略)
セミナーでは、「笑顔にしているといい」「ほめるといい」とたくさんの人間関係で大事なことを教えてくれます。これらを知れば知るほど、「確かにそうだな」と反省し、実践するように心がけます。ここまではいいのですが、次からが問題です。
ヘタにコミュニケーションのテクニックを知ってしまうと、それを実践してくれない上司や身内など、身の回りの人に「何でこの人はやらないんだ!」と不満やストレスをためて、「自分は正しく、相手が悪い」となってしまい、先ほど言ったように間違えたエリート意識を持ってしまうのです。
セミナーで学ぶ前は、自分もそんなことは知らないので、実践していない人を見ても何とも思わなかったのが、ヘタに理想を知ることで、今までになかったストレスをつくりあげてしまうのです。結果、現実世界で頑張るよりも、セミナー仲間で仲良しになりすぎる現象が起きてしまいます。
「自己啓発は私を啓発しない」齊藤 正明 (著)より引用
これ、ほんと、自己啓発セミナーあるあるだと思います。
ただ、自己啓発セミナーに限らず、いろんなケースで気をつけないといけないですね。
気が付かずに、自分もやっちゃってるかもしれません。
「〇〇を学ぶ前は、自分もそんなことは知らないので、実践していない人を見ても何とも思わなかったのが、ヘタに理想を知ることで、今までになかったストレスをつくりあげてしまう」
これ、〇〇の箇所に、自分が学んだことや新しく知ったことを当てはめてみると、あなたも、なんかしらあるかもしれませんよ。
たとえば、奥さんが何らかのネットビジネスを始めたときに、まぁー、よーけ夫婦喧嘩が起こるわけですが、だいたい理由はこんな感じです。
「ネットビジネスを学ぶ前は、自分もそんなことは知らないので、実践していないダンナを見ても何とも思わなかったのが、ヘタに理想を知ることで、今までになかったストレスをつくりあげてしまう」
いかがでしょ?
うちの夫婦は、いい意味で、お互いの仕事や考え方に無関心(尊重?)なので、上記のようなことは起こりませんが、ネットビジネスを始めてしまったがためにダンナを見ると腹立たしく思うような奥様方もいらっしゃるようです。
たとえ、結婚相手であろうと、親だろうと、他人は変えれません。
変えれるのは自分だけ。
そう思っとけば気が楽です。
”自己啓発”しても他人はコントロールできない
”自己啓発”というものは、読んで字のごとく「自分で進化・向上していくこと」を目指すものです。
しかし、セミナー漬けになっている人のなかには、「何でアイツはこうやらないんだ?」と他人が変わってくれないことに不満を持つ一方、「自分が変わろう」という意識が、あと一歩だけ足りないケースも見られます。
(中略)
他人のことはコントロールができないのです。言い換えると、変えることができるのは、「自分一人」しかいないということです。
「自己啓発は私を啓発しない」齊藤 正明 (著)より引用
あ、そうそう。
そういや、セルフコントロールっていう曲がありましたね。
TMレボリューション。
いや、違うわ。
TMネットワーク。